[5] Synthesis, characterization, and physical properties of oligo(1-(N,N-dimethylamino)pyrrole)s and their doped forms, precursors of candidates for molecular flat-band ferromagnets
[4] Optical properties of disilane-bridged donor-acceptor architectures: strong effect of substituents on fluorescence and nonlinear optical properties
ナノメートルサイズの電極基板上の化学修飾を利用した光並びに電子デバイスの開発
研究目的
本研究は我々が開発したヒドロシランに関する反応形式を表面固定化反応へ拡張し、水素終端化シリコン表面に効率良く芳香族分子を固定化する方法を提供するものである。芳香族化合物をシリコン基板上に直接固定化できれば、基板から末端官能基まで直接共役鎖で基板に対して垂直に連結することができるので、導電性や電気化学特性の向上が期待できる。水素終端化シリコン表面を芳香族ジアゾニウム塩と反応させる方法がこれまでに報告されているが、ラジカル反応で進行するため多層化が進行し、良質の修飾薄膜を得ることは難しいとされている。
領域内での役割と必要性
上記の様に我々のグループでは、触媒を用いた新規な有機合成反応の開発とそれを用いた新しいタイプの材料開発を行っている。本研究では界面・表面修飾法の開発とその応用としてA02分野に所属しているが、同一班内ばかりでなく他の班とも共同研究会を持つことによって、研究対象の可能性を飛躍的に高める予定である。例えばA01分野のメンバーとはケイ素・ゲルマニウムをベースとした有機ELの発光材料や電子輸送材料の合成について、A03分野のメンバーとは修飾基板の物性について、A04分野のメンバーとは有機-無機ハイブリッド表面のデバイスへの応用について、それぞれ検討する。これらの研究成果を論文・学会・ホームページなどで情報発信することで研究水準の高さをアピールし、グループ内の相互の研究の新しい発展に寄与する。
研究内容
研究は平成26~27年度の2年間でヒドロシランのアリール化反応を応用した「水素終端化シリコン電極表面の化学修飾」を行う。 特に平成26年度は、様々な機能性物質で化学修飾したシリコン基板の調製を行う。機能性物質としては優れた電子輸送能を発現するパイ共役錯体ワイヤの逐次的作製と電気化学特性に関する研究を行う。具体的には末端にテルピリジン基を有する化合物を固定化し、逐次的錯形成による多積層膜の構築を行う。予備実験により10層(約17 nm)の均一分子ワイヤを積層させることに成功している。この知見を元に可能な限り長い分子ワイヤ(マイクロメートルオーダーを目標とする)の構築を試みる。表面の構造決定は電気化学特性評価やAFM観察などにより行う。また、クロノアンペロメトリーを駆使しワイヤ内を流れる電子移動速度を測定し、共役で連結していない系との比較から、パイ共役で分子を固定化する利点について調査する
追加情報
研究課題番号:16H00958 科研費データーベースはこちら
分子アーキテクトニクスを志向した水素終端化シリコン表面の新規化学修飾法の開発(2014-2015 研究課題番号:26110506)
メンバー
Papers List
2015
Yoshinori Yamanoi; Kazuhiro Takahashi; Takeshi Hamada; Norikazu Ohshima; Masashi Kurashina; Yohei hattori; Tetsuro Kusamoto; Ryota Sakamoto; Mariko Miyachi; Hiroshi Nishihara
Journal of Materials Chemistry C, 3, 4316 - 4320, 2015/3/19
DOI: 10.1039/C4TC02941K
Masaki Shimada; Yoshinori Yamanoi; Tomonori Matsushita; Takashi Kondo; Eiji Nishibori; Akari Hatakeyama; Kunihisa Sugimoto; Hiroshi Nishihara
J Am Chem Soc, 137, 3, 1024 - 1027, 2015/1/13
DOI: 10.1021/ja511177e
Maiko Miyachi; Yuki Yamamoto; Yoshinori Yamanoi; Hiroshi Nishihara
Journal of Inorganic and Organometallic Polymers and Materials , 25, 1, 140 - 144, 2015/1/1
DOI: 10.1007/s10904-014-0121-1
2014
Mariko Miyachi; Yoshinori Yamanoi; Kazuo Nakazato; Hiroshi Nishihara
Biochimica et Biophysica Acta (BBA) - Bioenergetics, 1837, 9, 1567 - 1571, 2014/9
DOI: 10.1016/j.bbabio.2013.11.012
Inubushi H; Hattori Y; Yamanoi Y; Nishihara H
J Org Chem, 79, 7, 2974-9, 2014/4/4
DOI: 10.1021/jo500029f