研究課題

低コストナノギャップ電極作製手法と単一分子ガスセンサの開発

研究目的

本研究課題では内藤らがこれまで十分に蓄積した「ナノギャップ電極」作製法のノウハウとその精密なコンポジット化技術を通じて、分子・金属コンポジット型素子構造形成に取り組み、新しい分子素子の創成に取り組むことを目的とする。特に低コストなナノギャップ電極の作製手法の検討と、電極への分子の効率的な架橋手法の探索、合成したセンサ分子と特定ガス分子の相互作用を利用した、‘単一分子ガスセンサ’の実証にチャレンジする。

領域内での役割と必要性

内藤らは独自のナノギャップ電極作製技術を中心に電子デバイスの分野から分子エレクトロニクスを含めた幅広いバックグラウンドを有している。特に合成化学者などとの連携した分子の導電性評価やセンサ特性評価に対する実績を持ち、分子センサ素子を目的として研究を展開することで単一分子素子の集積化のみならず、新たに電流信号のゆらぎやバラツキを積極的に利用するための組織、多数の分子の恊働機能による信号処理の実現という視点で、センサ・安全分野における さらなる有機的な研究創造に期待している。また、自身が発見した「ナノギャップスイッチ効果」による不揮発性メモリ素子について民間企業と連携し、4kbit 集積化デバイスまで作り上げ評価した実績があり、領域内では集積化にむけた研究に貢献したい。

研究内容

低コストナノギャップ作製手法については、これまで実現した電極作製技術を低価格なマグネトロンスパッタ装置においても適応を目指すとともに、反応性蒸着などを利用したより付加価値の高いナノギャップ作製を目指す。また、単一分子センサに関しては、安全分野への貢献を目指して、塩酸、硝酸、硫黄、燐化合物から選ばれる物質を微量検知する分子ガスセンサの基礎的研究にチャレンジする。comingsoon.jpg

追加情報

研究課題番号:16H00974 科研費データーベースはこちら
ナノギャップ電極を用いた分子ReRAMの創成(2014-2015 研究課題番号: 26110522)

メンバー

研究代表者:内藤 泰久(産業技術総合研究所 ナノエレクトロニクス研究部門 主任研究員)
連携研究者:中村 徹(産業技術総合研究所 ナノ材料研究部門 主任研究員)

Papers List

2016

[1] Formation of accurate 1-nm gaps using the electromigration method during metal deposition

Yasuhisa Naitoh; Qingshuo Wei; Masakazu Mukaida; Takao Ishida
Applied Physics Express, 9, 3, 035201-1 - 035201-4, 2016/2/4
DOI: 10.7567/APEX.9.035201